マッチングアプリで金銭を要求されたら、支払わず、相手とのやり取りや送金先の情報を保存したうえで、アプリ運営会社・金融機関・公的な相談窓口に連絡してください。投資、借金、病気や事故、会うための交通費など理由が何であっても、アプリで知り合った相手からの要求に応じる前に、第三者へ相談することが大切です。
まず取るべき対処は「支払わない・証拠を残す・連絡先を確認する」
金銭を要求された直後は、相手に急かされても送金や立て替えをしないでください。要求を断ったことで相手が怒ったり、退会や秘密を持ち出して急がせたりする場合も、慌てて対応する必要はありません。
- 送金や決済を止める
銀行振込、電子マネー、暗号資産、ギフトカード、クレジットカードなど、どの方法でも支払わないでください。本人確認書類や口座情報、カード情報も送らないようにします。 - やり取りを保存する
相手のプロフィール、表示名、写真、メッセージ、要求金額、振込先、電話番号、メールアドレス、送金日時などをスクリーンショットで保存します。アカウントを削除される前に、必要な情報を記録してください。 - アプリ内で通報する
アプリの通報機能から、金銭を要求された事実と証拠を伝えます。通報や相談の前に相手をブロックすると、必要な画面を確認できなくなることがあるため、先に記録を残します。 - 信頼できる人に共有する
一人で判断せず、家族や友人などに画面を見せて相談します。相手から「誰にも言わないで」と言われても、相談を妨げる理由にはなりません。
すでに送金した場合は、方法に応じてすぐ連絡する
送金済みでも、取り戻せると決まっているわけではありません。しかし、時間がたつほど確認や対応が難しくなる可能性があるため、送金に使ったサービスへ早めに連絡してください。
| 送金方法 | 最初に連絡する先 | 伝える内容 |
|---|---|---|
| 銀行振込 | 利用した金融機関 | 振込日時、金額、振込先口座、相手とのやり取り |
| クレジットカード・デビットカード | カード会社 | 利用日時、金額、利用先、相手からの要求内容 |
| 電子マネー・ギフトカード | 発行会社や購入店舗 | 券種、金額、購入日時、番号を相手に伝えたかどうか |
| 暗号資産など | 利用した交換業者やサービス | 送金日時、送金先アドレス、取引履歴 |
連絡時は「マッチングアプリで知り合った相手に要求されて送金した」と事実をそのまま説明し、返金や利用停止、取引記録の確認が可能か尋ねます。相手から「返金手数料」「解除料」「保証金」などを追加で要求されても、さらに支払わないでください。
相談先は被害の状況で選ぶ
- 消費者ホットライン188:契約、決済、返金など消費生活上のトラブルを相談できます。地域の消費生活センターにつながります。
- 警察相談専用電話#9110:詐欺の疑い、脅迫、個人情報の悪用など、犯罪に関する相談に利用できます。
- 緊急の場合は110番:相手が自宅や勤務先に来る、危害を加えると脅されているなど、身の危険が迫っている場合は緊急通報を利用してください。
- マッチングアプリの運営会社:相手のアカウントやメッセージの調査、利用停止、通報方法について確認します。
相談するときは、相手のプロフィール画面、メッセージのスクリーンショット、送金記録、振込先や決済情報、相手の電話番号などをまとめておくと、状況を説明しやすくなります。
金銭要求で特に注意したいパターン
次のような事情があっても、それだけで相手が詐欺をしていると断定はできません。ただし、恋愛感情や不安を利用して金銭を急がせる要求には、強い警戒が必要です。
- 会ったことがない段階で、交通費や生活費、治療費を求める
- 「今日中」「今すぐ」など、支払いを急がせる
- 投資や副業を勧め、利益を出すための入金を求める
- 家族や友人、アプリ運営会社に相談しないよう指示する
- 送金後に、出金手数料や保証金など別の費用を求める
- 銀行口座、暗号資産、電子マネーなどの受け取りや送金を頼む
- 本人確認書類、口座情報、カード情報、認証コードを求める
- 断ると、写真やメッセージを公開すると脅す
特に、アプリ内の連絡から外部のメッセージアプリへ早く移そうとし、その後に投資や送金の話をする場合は、相手の説明だけで信用しないでください。プロフィール写真や身分、職業を確認できたとしても、金銭要求が正当だと証明されたことにはなりません。
個人情報を渡した場合にすること
住所、勤務先、本人確認書類、銀行口座、カード番号、ログイン情報などを伝えた場合は、情報の種類ごとに対応が必要です。
- パスワードを伝えた場合は、同じパスワードを使っているサービスも含めて変更する
- カード情報を伝えた場合は、カード会社へ連絡して利用停止や再発行を相談する
- 銀行口座の情報を伝えた場合は、金融機関へ連絡して必要な措置を確認する
- 本人確認書類を送った場合は、警察や消費生活センターに相談し、悪用への対応を確認する
- 認証コードが届いても、相手に伝えない
相手からの連絡が続く場合は、返信で説得しようとせず、証拠を保存したうえでブロックします。ただし、脅迫やストーカー行為がある場合は、メッセージを削除せず警察に相談してください。
要求を断るときの伝え方
詳しい事情を説明して納得させる必要はありません。たとえば「金銭のやり取りはしません。これ以上の要求には応じません」と短く伝え、その後は返信を控えます。
相手が怒る、泣いて同情を求める、返金を約束する、さらに少額だけ求めるといった反応をしても、判断を変えないでください。問題の解決を理由に追加送金を求められた場合も、支払わず相談先へつなぎます。
判断に迷ったときの基準
会った回数や交際期間ではなく、金銭の要求内容と相手の対応で判断してください。説明が本当か確かめられず、断ると急かす・怒る・脅す、第三者への相談を嫌がるという状況なら、支払わない判断が適切です。
「本当に困っている人かもしれない」と感じても、本人確認や返済能力を自分だけで確かめるのは困難です。金銭を渡す代わりに、必要なら公的な相談窓口や医療・福祉機関を案内し、個人間の送金は避けてください。
マッチングアプリで金銭を要求されたら、支払わない、証拠を保存する、アプリへ通報する、送金済みなら金融機関や決済会社へすぐ連絡するのが基本です。脅迫や身の危険がある場合は、証拠を残したうえで警察へ相談してください。







